オリーブの話をしよう。

オリーブの話を、しよう。

【オリーブ / Olive】
学名:Olea europaea 原産:地中海沿岸地方 モクセイ科の常緑高木

実のこと。

ピッツァのトッピング?
マティーニの飾り?

最初に出会ったオリーブって
どんなかたち?

オリーブの木は
初夏に花を咲かせたあと
4~5ヶ月をかけて実が肥大
ゆっくりと油を
果肉の中に蓄えていく。
果実の重さは1個2~10
なかにはそれを超えるものも。
実をつけてすぐは濃い緑色。
完熟の時に向かって
緑から黄緑、赤紫、黒紫へと変化して
果肉も柔らかくなる。

葉のこと。

風がとおりぬけて
太陽の光がふりそそぐ。
先端が尖った細い葉は
ひらひらとひるがえり
銀白色に光る葉波が
ゆうゆうとたゆたう。

葉は2枚が向かい合って
枝につく対生の単葉で
幅1~1.5㎝、長さ4~8㎝。
表面は
厚い透明のクチクラが覆い
裏には
小さな毛茸が密生。

さわさわ
さわさわ
オリーブ園で聞こえるのは
この葉の、風と遊ぶ音。

花のこと。

風媒花。風が花粉を運び
新しい命がまた
そこに芽吹いていく。

5月から6月にかけて
直径3㎜くらいの花びらが
4枚くっついた
白い小花が房状に開花。

オリーブは
1本ではほとんど自家受粉しない。
だから1本より、2本がいい。
花はキンモクセイに似ていても
香りも放たない。
だから蜜より、風が頼り。

それが、オリーブの生き方。

1600種の顔。

親指ほどの小さな実。
その中に宿る
1600もの
チャーミングな個性。

スペインのアルベキーナ
イタリアのフラントイオ
ギリシャのカラマタ
フランスのベルダーレ
トルコのアイヴァルック。

オリーブの主な産地は
これら、地中海沿岸地方。
その美しい名前のように
光る個性が世界中に
1600とも
6000とも
息づいている。

5000年の命。

美肌のため、健康のため
おいしい食事のため。
暮らしの中のオリーブは
昔も今も変わらない。

オリーブはブドウと同じで
人類が最初に育てた植物。
5000年前
小アジアで栽培がはじまり
海上交易で栄えたフェニキア人が
地中海沿岸にもたらし
その後、ローマ帝国が
大きく広めていったという。

食べるため、癒やすため、
神へ捧げるため
オリーブオイルは
生活のあらゆる場面に花開いた。

そのすがた
昔も今も変わらない。

1番目のオイル。

「オイル」の語源は
アラビア語で〝オリーブ〞。
そのまんま。
人間が初めて手にしたオイル。

果実を搾るだけで
油になるオリーブは
大地のミネラル分を
たっぷり含んで
青々とした草の香り
トマトのような味わいを持つ。

「オリーブオイルを
大切にする人は幸せになる」。

ヨーロッパの片田舎では
そんなことわざも残っているほど
人類にとって1番目のオイルは
今も、たいせつな存在。

100%天然ジュース。

果物なのか
野菜なのか。

オリーブオイルは
オリーブの実を搾った
果汁100%のジュース。

だから
オリーブの実に貯えられた
豊富な栄養成分が
まるまる活きている。
とくにエクストラバージン
オリーブオイルは
その果汁を油分と水分に
分離させるだけ。
とてもシンプル。

ギリシャ地方に今も伝わる
毎朝スプーン1杯の
オリーブオイル健康法。
なっとく。

だから、私たちはオリーブを選んだ。

熊本県天草市。
風光明媚な海のまち。
天草デコポンなど
みかんのおいしい海辺のまちには
オリーブもよく育つ環境がある。
風通しのいい丘
水はけのいい土
ふりそそぐ南国の陽。
私たちの選んだオリーブは
潮風にも強く
ブランドに育てば
まちの誇りになる「力」が魅力。
なにより
栽培農家の生活の糧になる
希望の芽がたくさんある。

だから、天草オリーブ。

ひと粒、ひと粒が
私たちの、天草の
たからものになれるように。